全部が第一志望

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

地域の森の保全活動に参加しています。
昨年、保全団体はNPO化が実現し勢いが加速した一方で、私は生活の変化により活動から足が遠のいています。
もともとこの活動に集まる皆さんが大好きで通い続けてきたというのに、今の私ときたら、皆さんの期待に応えるどころか「時間がない」と言ってばかり。
時間がなくても参加できる方法を求めていたつもりなのに、いつの間にか、
“この活動から完全に身を引こうかな……”とさえ考えるようになりました。

そんな私に、大先輩が次のような話をしてくれました。

「活動を長く続けるためには、“組織のために何かをやる”それよりも、“やりたいことのために組織がある”ことが大切じゃないかしら? 」と。
大先輩は続けて、
「私は、組織のために一生懸命の人が10人集まるなら、いい加減な人は100人集まればいいなって思うのよ」と。
「いい加減な人ですか? 」と、驚いた私に
「途中で投げ出すような人のことではありませんよ。良い(よい)加減にできる人のことです。良い加減の人は、一生懸命の人を大勢でサポートすればいいと思うのです。一生懸命の人も作業がしやすくなるでしょうし、皆さんも楽しいでしょう」と。

さらに目を輝かせて、次のようなことも話してくれました。
「それに小林さん、シニアになったら地域の森の保全活動はとても良いものですよ。
この森の活動は、子供の情操・自然教育の支援にも力を入れているけれど、もともと地域で過ごす時間が多いシニアと子供たちは相性がとても良いのです。
将来、私の身体が今のように動かなくなり森で作業ができなくなったとしても、保全活動に来る子供たちの受付くらいはできるでしょう。若い親御さんにも子育ての経験を活かしたアドバイスをたくさんできると思うのです! 」と。

そして、次のような体験談を話てくれました。
「息子が大学受験のとき、志望校がいくつもある息子に“どこが第一志望なの? ”と聞きました。すると、“母さん、全部が第一志望だよ。だって、ここに落ちても僕にはまだ第一志望が残ってるんだから ”と、面白いことを言ったのです。どうやら、この大学ではこれ、あの大学ではあれ、といった具合にやりたいことを決めて、全部を第一志望にしていたようなの。そのことを聞いて私は、“どこに落ちても間違いなく、息子はやりたいことができる! どこに落ちても、親として胸を痛めなくていいんだ”と安心したの。“なんて親孝行な息子なんだろう”って思ったわ」と。
「全部が第一志望なんて、考えたこともありませんでした」と、私。
「面白い感性の子でね、そんな息子から教わったことは他にもたくさんあるわ。そんな話を、若い方たちにもお話できたらいいなって思うのよ」と、大先輩。

ここで、望月幸義さんの著書『「考え方」を変える―喜び多き人生を築く』から、一節をご紹介します。
――人生には秘密があります。この秘密がよく分かれば、暗い人生がパッと明るくなります。また、現在明るい人生を送っている人は、さらに明るい人生にすることができます。この秘密は難しいことではありませんが、意識的に使っている人はそれほど多くはないでしょう。人生の秘密は、考え方を変えることにあります。
考え方を変えるということは、考え方の癖を変えるということです。見る、聞くなどの五感も癖を持っています。歩く、歌うなどの動作も癖を持っています。癖は常に一定の力を発揮しています。考え方の癖も一定の力を発揮していることになります。考え方を変えるということは力の発揮の方法を変えることを意味しています――

保全活動を辞めるか続けるか、どちらか一方でなくても良い。
『辞めることも第一志望。続けることも第一志望』と、考え方を変えてみたら……

“自分にできないことは辞めてみよう。そして、良い加減の人になって、できることを続けてみよう”

そんな結論にいたった最近の小林です。

 

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