親思う心にまさる親心
こんにちは。オンラインショップ担当の望月です。
わたしが学生だったころの話です。
5月の母の日に、感謝を込めて母へハガキを書きました。
そのハガキに「お母さんは私にとっての野口シカのような人です」と書いた記憶があります。
そのころ、私は歌謡曲にハマっていました。
曲よりも歌詞を好み、いろいろな歌を聞きました。
その中で私は、なかにし礼氏が詞を書いた「愛、とどきますか」という歌に出会います。
この歌は『遠き落日』という映画の主題歌で、野口英世とその母シカの親子愛をテーマにしたものでした。歌のサビにはこうあります。
この愛とどきますか はるかなあなたに
この愛とどきますか あなたの心に
とどいていなくても 答が来なくても
私はあなたを命かけ 愛しつづける
和田アキ子が唄うこの歌を聞き、私は思いました。
野口英世は母シカの多大なる恩に報いるために努力した。
けれども、母シカはそんな見返りなど関係なく英世を思い続けた。
そこに、なかにし礼は自分と自分の母親を重ねて詞を書き、
その歌を聞いた私も同様に重ねました。
母は、いついかなるときも私の味方でした。大学を中退し、役者を志したときも、はじめのうちは反対されましたが、結局いちばん応援してくれたのは母でした。私が結婚し、家を離れて暮らすようになってからも、私たち夫婦を常に心配し、支えてくれています。母が子を思う愛は偉大です。
ここで、河合敦さんの監修『新・親子で学ぶ偉人物語』「野口英世」から一節をご紹介します。
‴英世が世界で立派に活躍することはお母さんにとっても、たいへんうれしいことでした。でも、寂しくてしかたがありません。手紙を書こうにも文字が書けませんでした。英世にどうしても会いたくてお母さんは文字を習い、こんな手紙を書きました。
「はやくきてください。はやくきてください。いっしょうのおねがいです。にしをむいては、おがみ ひがしをむいてはおがんでおります……」
日本の友だちも、英世にお母さんの写真を送りました。写真の中のお母さんは年老いて、やせて小さくなっています。英世は胸が痛くなりました。
「お母さん! 寂しい思いをさせてごめんなさい。もうすぐ帰りますから、待っていてください」
そして、15年ぶりに日本へ帰ったのです。‴
私の愛用している湯呑みには「親孝行最優先」と書いてあります。それに倣って、どこまで親孝行できているかわかりませんが、父と母が喜ぶことを最優先に考え行動できればと思っています。たとえその思いが、親の子を思う心にかなわなくても。