日本の伝統文化
こんにちは。オンラインショップ担当の望月です。
突然ですが、生方徹夫さんの著書『国民の祝日と日本の文化』から一節をご紹介します。
――この日本には、数字の月名のほかに、和風月名という異称があります。これは自然の変化や農事などの様子を生活経験から表現したもののようです。6月のそれは水無月とあてるので、水のない月のように感じますが、陰暦6月は今の7月にあたり、田に水を引く必要のある月という意味で「水の月」(「無」は「の」を意味する)が本義とされます。
また6月は、1年の中で正月とともに1つの大きな折り目です。「夏越の節句」は、厄病や災厄が多いとされる夏を越して(過ぎ去ったこととして)災厄を逃れる意識と同じ感覚です。――
上記は「夏越の祓え」の説明です。実際私も6月30日(日)に、昨年結婚式を挙げた東京都のとある神社で、この大祓(おおはらえ)式が開催されるので参列しました。「高天原(たかまのはら)・・・・・・」からはじまる大祓の詞を唱える神道の祭祀があることは知っていましたが、実際に参列するのは初めてでした。当日は雨が降りしきるなか、300名ぐらいの参列者がおりましたでしょうか。とても厳かな雰囲気のなか、私を含めた参列者一同は、二礼二拍手一礼を丁重に行いました。
祭典後の直会(なおらい)(神事の最後に供物やお酒を飲食すること)において、宮司が挨拶で次の和歌を紹介しました。
「水無月の 夏越の祓へ する人は 千歳(ちとせ)の命 延ぶとゆふなり」
この和歌が平安の世から歌われているように、厳しい夏を健やかに乗り越えるよう古来より広く行われてきた6月の大祓式。年越しの12月にも大祓式は行われています。おそらく12月も、妻と参列する自分の姿が頭に浮かびます。このような先人の心を伝える四季折々のならわしやしきたりを見つめなおすことが、これからを生きていく私たち日本人の指針となるのではないかと考える今日このごろです。