パーキングが満車で良かった!

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

剣道部に入っている息子。
先日、市内で開催された練成会の様子を見に行こうと、夫と車で会場に出かけたときのことです。
困ったことに、会場には駐車場がなく、周辺にはコインパーキングすらありません。
会場から少し離れた大通りのコインパーキングまで戻ったのですが、その駐車場も満車でした。
「残念‥‥‥。でも、そこの脇道の少し先に駐車場の看板が見えるぞ」と、夫。
その駐車場まで行ってみると、壁面に“前払い駐車場”と書いてあります。
「前払いを利用するのは初めてだけど、どんなシステムなのかしら? 」と、私。
「まあ、どこかに説明が書いてあるだろう」と、夫。
ちょうど駐車している間に、もう一台の車が入ってきました。
発券機に書いてある利用方法を読みながら操作しようとした私たちの後に、どこかの会社の制服を着た女性が並びました。
“仕事中なら急いでいるかもしれない”
そう思って、女性に「お先にどうぞ」と声をかけました。
少しキョトンとされた女性に、
「私たち初めてなもので、お先にどうぞ。 あの‥‥‥もしよければ、操作の仕方を横で見させていただいてもよろしいでしょうか? 」と、夫。
すると女性は
「まぁ! 初めてなのですか? じゃあ、私と一緒にやってみましょうか」と、柔らかい笑顔で答えてくれたのです。
思ってもみなかった有難い申し出に、今度は私たちが目を丸くしました。
「よろしいのですか? ありがとうございます」と、私たち。
「では、まず何時間停めるかを選びます。何時間にしますか?」と、女性。
私は希望の時間を入力しました。
「そしたら確定ボタンを押してくださいね。次は、車のナンバーを入力します。ナンバーはおいくつですか?」と、女性。
「うちはのナンバーは2桁なんですけど、一番初めは00を付ければいいのでしょうか?」と、夫。
「いいと思いますよ。あとは確定ボタンを押すとレシートが出て来ます」
そう言って、出てきたレシートを私に手渡しながら、
「これを車のダッシュボードの見えるところに置いてくださいね。これで終わりです」と、女性。
「ありがとうございました。とても助かりました! 」
私たちは、女性にお礼を言うと、会場へ向かいました。

「優しい方だったね。仕事中のようだったから時間があったわけではないだろうに、私たちを気づかってくださるなんて」と、前を歩く夫に話しかけました。
「俺も、あんな対応ができるようになりたいな~」と、夫。
その言葉を聞いて、私も自分に置き換えて考えてみました。
きっと、相手の方のとっさの申し出に、自分の操作を見せることはできると思うのですが、
“私と一緒にやってみましょうか?”と、相手の方の心に寄り添うような対応をとることができるかな‥‥‥と。
「本当だね。勉強になった。今日は、近くのパーキングが満車で良かったね!あの駐車場で、あの方と出会えて、本当に良かったね」と、私。

ここで、『ニューモラル 心を育てる言葉366日』9月20日“本当の「思いやり」”をご紹介します。
――「相手の気持ちになって考える」「相手の立場に立つ」という言葉をよく耳にします。しかし現実には、なかなかそうした気持ちになることは難しいものです。自分に都合の良い手段や方法にこだわり、見栄や世間体を優先させた、形だけの一方的な思いやりや励ましは、相手の心を傷つけ、負担を感じさせることにもなりかねません。
人の役に立ちたいという思いを行動に移すときは、お世話をする相手に対して絶えず心を向けることが大切です。自分が満足するのではなく、その人の置かれた状況に心を配り、どうしたら喜びや満足、安心を与えることができるのかを考えることが、本当の「思いやり」なのではないでしょうか。
お互いが相手の気持ちを察しながら、心を通わせていったとき、そこに優しく温かい人間関係が生まれていくことでしょう――

“自分に都合の良い手段や方法にこだわり、見栄や世間体を優先させた、形だけの一方的な思いやり”
この文章を読むたび、自分のことだと思いドキッとします。
あの女性にかけていただいた思いやりに感動したことを忘れずにいようと思う小林です。

 

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