お墓との出合い

こんにちは。オンラインショップ担当の望月です。

皆さんは、自分の家のお墓参り以外で、お墓や霊園に行かれることはありますか。私の趣味は、偉人のお墓めぐりなので、今までに多くのお墓と出合いました。今日は、その中でも、とりわけ印象に残っているお墓の話をしたいと思います。

「I for Japan;
Japan for the World;
The World for Christ;
And All for God.」

この言葉は多磨霊園にある内村鑑三のお墓に記されたものです。下手なりに直訳すると、

「私は日本のために;
 日本は世界のために;
 世界はキリストのために;
 そして、すべては神のために」

となりましょうか。とても簡単な英単語で書かれてありますが、読めば読むほど深みがあり、味わいのある言葉です。この言葉は、内村が25歳のときに、愛用の聖書の見返しに英語で記したものを、碑面にはめ込んだものです。

こういったお墓に出合うと、自分の心が洗われたり、反省する機会になったり、たくさんのことを考えさせていただけるので、とってもありがたく温かな気持ちになります。

ここで、「歴史に学ぼう、先人に学ぼう」第二集『先人の勇気と誇り』の「日本人の心とキリストの教えを融和した内村鑑三」から一節をご紹介します。
――晩年の内村が残した教えがある。それは大正10年から毎夏過ごした軽井沢の星野温泉の若主人、星野嘉政氏に宛てた「成功の秘訣」という十か条のことばである。
一、 自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
一、 本を固うすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
一、 急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
一、 成功本位の米國主義に倣ふべからず、誠實本位の日本主義に則るべし。
一、 濫費は罪悪なりと知るべし。
一、 能く天の命に聴いて行なふべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
一、 雇人は兄弟と思ふべし、客人は家族として扱ふべし。
一、 誠實に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
一、 清潔、整頓、堅實を主とすべし。
一、 人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり。
以上のことばに、内村のなかに培われた精神が凝縮されているように感じる――

碑面からだけでなく、上記の「成功の秘訣」からでも学び反省させられます。私の場合は、車の運転を急ぐ場合(特に高速道路や約束の場所へ遅刻しそうになる時)があるので、いい戒めになります。

師走に入り、ますます寒さが厳しくなってきましたが、一度霊園へ散歩でもいかがですか。いいお墓との出合いがきっとあなたの気持ちをぽかぽかにしてくれますよ。

 

にほんブログ村 本ブログ 本・読書情報へにほんブログ村「本・読書情報」に参加しています。