お墓参り

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
2020年1月8日の望月さんのブログ記事「祖先へのご挨拶」を読んで、ふとあることを思い出しました。

私の祖父は、私が3歳のときに他界しました。忙しい両親に代わり、私を保育園に迎えに行く途中のことで、本当に突然のお別れでした。
それから月に1度は、家族で祖父のお墓参りをするようになりました。
月日が経ち、私が小学1年生の夏のことです。家族旅行へ行った海で、きれいな貝をたくさん拾いました。貝を拾って喜ぶ私を見て、母はピンク色のサクラ貝が詰まった小瓶を買ってくれました。
それはもう嬉しくて、
“おじいちゃんにも、この貝を見せてあげたい”
私は、祖父のお墓にたくさんの貝を持って行き、手を合わせながら
「おじいちゃん、この前、海に行ってきたよ。きれいな貝をたくさん拾ったの。お母さんがサクラ貝を買ってくれたよ」と、報告しました。
「それじゃあ、またくるね」とお別れの挨拶をしたら、なんだか、このまま帰るのがしのびなくなってきて、
“そうだ! おじいちゃんにも私の宝物を分けてあげよう”と思ったのです。
「おじいちゃんが寂しくないように。ほら、きれいでしょ」と、
風で飛ばされないよう墓石の間にいくつも貝を埋め込みました。

そうして、1ヵ月後。
お墓参りへ行ってみると、風で辺りに飛び散り粉々になっている貝たち。
墓石の間には、貝の破片が入り込んでいます。
“こんなつもりじゃなかった……”と、かなりショックを受けました。
“おじいちゃんをきれいなもので喜ばせるつもりだったのに、長いことお墓を汚いままにして、ごめんなさい”
私は、泣き泣き貝の破片を拾いながら、心の中でずっと祖父に謝りました。

ここで『ニューモラル 心を育てる言葉366日』7月15日‴祖先と心を通わせる‴をご紹介します。
――お墓や仏壇に向かって祖先に手を合わせるという光景は、長く受け継がれてきた日本人の慣習です。しかし、時代や社会が大きく変化する中では、従来と同じような形で祖先を祀っていくことは難しく感じられる場合もあるでしょう。
祖先を祀ることは、祖先のためだけでなく、今を生きている私たちにとっても大きな意味のあることです。仏壇やお墓といった具体的なものに向き合うことで、私たちは直接会ったことのない多くの祖先たちとの時代を超えた「つながり」を感じ、今、自分がここに存在することの意味を強く意識することができるのです。
祖先祭祀の形式は、時と共に変わっていく部分もありますが、何より大切なことは祖先を敬い、祖先に感謝するという気持ちを持ち続けることではないでしょうか。「祖先と心を通わせる」ということに意識を向けていきたいものです――

祖父とはもう会えないけれど、心の中では会話をしているかのよう。そのなかでの反省は、こうして時を経ても、しっかりと心に残っているものですね……。
望月さんのブログ記事を読んで、あらためてお墓参りについて、感慨深いなと思った小林です。
 

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