こんな先生に教わりたかった

こんにちは。オンラインショップ「道徳の本屋さん」店長の佐野です。

突然ですが、私は中学高校と歴史の授業が苦手でした。それは授業の内容の大半が、歴史上のどんな出来事がいつ起こったかを覚えるだけの作業だったからです。もちろん、時系列的に歴史の流れを学びはしますが、そのあとはひたすら暗記するという作業が待っていました。私にとって「歴史を学ぶ」とは、そのころの苦しいイメージのままでした。

そんな歴史に対する私のイメージを崩してくれた本があります。それが白駒妃登美さん著の『なでしこ歴史物語』。本書は、歴史に翻弄されながらも自分の使命を全うした女性たちの物語が「博多の歴女」という異名を持つ著者の、語りかけるような文体で描かれています。その文章の端々からは、白駒さんの歴史への愛がひしひしと感じられます。

そんな本書を読みながら、私はある先生のことを思い出しました。それは大学1年生の必修科目で学んだ西洋思想史の先生です。私はそのころ、西洋思想史に関してそんなに興味も関心も高くはありませんでした。しかし、その先生がソクラテスやプラトン、アリストテレスに始まり、カント、ヘーゲル、ニーチェ、キルケゴールに至る難解な思想史を、さまざまなエピソードと共に、情熱をもって楽しそうに話してくださったおかげで、私はその後、西洋思想にハマってしまいました。そんな先生と白駒さんの姿が重なるのです。

ここで『なでしこ歴史物語』「特別対談」の一節を紹介します。
――「なでしこ歴史物語」の連載のお話をいただいた時も「来るもの拒まず」でお引き受けしましたが、内心は半年持つのかなって、不安だったんです。だって歴史は「History」つまり「His」「Story」ですから、主役は男性ばかり、女性だけを取り上げて連載してもすぐにネタがなくなるのではないかと……。でも、実際に始めてみたら、もちろん苦労もありましたが、なでしこを発掘していく過程で「こんなに楽しい仕事はほかにはない」と実感したんです――

情熱を持った人の話を聞いていると、その人が感じている「楽しさ」が伝わってくるもの。本書から伝わってくる歴史を学ぶことの「楽しさ」をひしひしと感じ、学生時代にこんな先生から歴史を学べば、私の歴史に対する意識も全く違ったものになったかもしれないなと思うこのごろです。

「道徳の本屋さん」店長のおススメ書籍Part2 のコーナーでも、「なでしこ歴史物語」の魅力が紹介されています!

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