前向きな姿勢を忘れずに

 この4月より、オンラインショップ「道徳の本屋さん」店長を佐野から引き継いで忍足(おしだり)が務めさせていただきます。今後とも「道徳の本屋さん」に変わらぬご愛顧をいただければ幸いです。

 このたび店長を務めます私は、「道徳の本屋さん」の大元であるモラロジー研究所のホームページ更新作業を主体とする広報活動を行っています。
 以前は、佐野前店長と同様、私も雑誌や書籍の編集で経験を積み、単行本はもちろん、皆様にもなじみの深い心の生涯学習誌『れいろう』や総合情報誌『モラロジー研究所所報』の編集に携わってきました。今回、こうしてオンラインショップでそれぞれの書籍や雑誌を販売させていただく立場になってみると、感慨深いものがあります。それぞれの書籍や雑誌の編集していたときの小話などは、折に触れて紹介していきたいと思います。
 私を育ててくれた書籍や雑誌を広く多くの方々に手に取っていただけますよう、頑張ってまいります。

 4月と言えば入学・入社の時期。フレッシュマンたちが街にあふれる風景を思い出すのですが、今年は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡散防止対策のため、例年のようにはいかないのが現実です。
 社会的影響は大きく、政府から不要不急の外出を避けるよう呼びかけがあり、ほとんどのイベントは主催者が自粛を判断しています。当研究所も、いつもこの時期に行っている講座やセミナーがすべて中止に……。
 特に新入社員セミナーについては、社員を送り出す企業さん側も、学ぶ側の新入社員の方も、スタートの第一歩で躓いた格好になりました。

 先行きは決して明るくない状態の中で、先日、ある企業の方から一本のお電話をいただきました。電話の内容は、
「毎年新入社員セミナーに社員を送り出しているが、今年はさすがに……」
というものでした。しかし、お電話をくださった担当の方は、続いてこうおっしゃったのです。
「セミナーはキャンセルとなったけど、新入社員の教育は必要なんですよね。だから、社内で教育係を定めて、新入社員セミナー用のテキスト『未来をひらく人間力』を使って、社員教育をやってみます!」
 そうして新入社員の人数分プラスαのご注文をいただいたわけですが、その言葉に、私は一筋の光明を見出しました。
「セミナーが無いから諦める」ではなく、「無いなら(機会を)作る」という前向きな姿勢に、感動を覚えたのです。

 話題に上がった『未来をひらく人間力』に、以下のような文章が掲載されていますので、ご紹介します。

――プラス発想のできる人は魅力のある人で、前向きで心豊かな考え方や行動は誰からも好かれます。プラス発想人間といっしょに仕事をすれば、おのずと影響を受けて、自分もプラス発想で考え行動できるようになります。――(17~18ページ)

 こんな時だからこそ、「お互い大変だよね」「一緒に頑張っていこう」という前向きな気持ちで考え行動し、思いやりがあふれる社会にしていきたいものです。