出産前 準備してよかったこと、無駄だったこと
出産って、何をどれだけ準備したらよいか、迷いますよね。私も生まれて初めての経験で、かなり迷いました。今回は、出産前に用意、準備しておいてよかったものと用意しなくてもよかったものをご紹介します。
出産前 ★用意してよかったもの
1. 肌着類
生まれたての赤ちゃんは基本的に肌着で過ごすことがほとんどです。ミルクの吐き戻しなどで汚れることも多く、複数枚用意したほうがよいです。
赤ちゃんが袖を通す前に一度水洗い(水通し)しておくことも忘れずに。
私の場合、生まれてくる子のサイズがよくわからなかったので、50~60センチの短肌着、長肌着、コンビ肌着を4枚ずつほど用意しました。中でも、コンビ肌着をいちばんよく使ったような記憶があります。
ちなみに、赤ちゃんといえばスタイ(よだれかけ)ですが、よだれがたくさん出る子、出ない子など、さまざまです。わが子はほぼ出なかったので使用頻度は少なかったです。また、お祝いで頂戴することも多いアイテムなので、産後、様子を見て購入するのがよいと思います。
2. おむつ
私は紙おむつを使っています。同じSサイズでも、メーカーによって、胴回りや足回り、全長など、サイズ感がまったく違います。サイズが合わないと、モレの原因になります。生まれる前は少量買っておき(病院によってはお祝いにいただけることも)、出産後に赤ちゃんの体形、体の大きさに合わせて買うのがよいと思います。自分ではなかなか買いにいけないので、ネット注文やパートナー・家族の方に買ってきてもらうのがよいでしょう。
3. 爪切り
生まれた直後でもすでに爪が伸びていることがあります。赤ちゃんの爪切りは大人用では対応できないので、専用の爪きりが必要です。私は入院グッズに入れておき、入院中も爪を切っていました(赤ちゃんは爪が伸びるのが早い!)
4. ベビーバス
ベビーバスは新生児時期のおよそ1か月程度しか使わないので、本当に必要かな?と思う方もおられるかもしれません。まだへその緒が取れていないうちは、へその緒から細菌などの感染の可能性がありますので、大人とは別の浴槽に入る必要があります。
ベビーバスと一口にいっても、空気を入れて膨らませるエアータイプ、折りたたんで収納できる折りたたみタイプ、シンクや床に置いて使えるタイプなどさまざま。
私はプラスチックのベビーバスにしました(昔ながらのあれです)。
もちろん保管にスペースを取られるというデメリットはあります。でもそれ以上に、良かった点があります。それは作りがしっかりしているので、沐浴中、ベビーバスのふちに肘を置いても大丈夫だということ。
沐浴中、片手で赤ちゃんを支えながら、もう片方の手で体を洗う。赤ちゃんは意外と重く、手だけで支えようとすると手首がやられます。またグラグラすると赤ちゃんも不安になり、途端に泣き出すことも……。ふちに肘を置くと、片手でも結構安定します。また、ちょうど台所のシンクにすっぽりと入ったので、自分は立って沐浴をさせることもできました。保管場所を考えると、レンタルでもよいかもしれません。
5. 内祝の選定
実は、私にとって、しておけばよかったと後悔したことのトップです。いろいろな方から出産祝いをいただく機会も多いかと思います。
産後はすべて赤ちゃんを中心とした生活になり、バタバタして、内祝をじっくり選定する時間も取りにくくなりますし、気が回らなくなります。金額別の3パターンくらいを考えておくと、そのときになっても慌てません。
6. 行政や地域とのつながり
赤ちゃんとの付き合いは、満身創痍で始まる長~いマラソンのようなもの。出産で傷ついた身体を回復させようとしても、睡眠も細切れしか取れません。
妊娠期間を考えると、出産は“ゴール”のように感じるかもしれません。でも、私は、出産は通過点の一つであり、長いマラソンのスタートだと感じます。出産までの情報はよく目にするかと思いますが、生まれてから後のことはあまり知られていない、気にされていないかもしれません。
わが子は本当によく泣く子で、一日中抱っこと授乳、おむつ替えの繰り返し。かなり大きくなるまで昼夜関係なく続きました。私にとっては、出産の大変さを1とすると、冗談抜きで、生まれてからのほうが100倍くらい大変で、つらかったです。
本当に疲れてくると、周りや自分自身のことが見えなくなり、助けてほしいのに助けを呼べない、助けが必要だということさえもわからなくなります。
目の前のことに必死で、選択肢も浮かばす、自分が困っている・苦しくなっていることさえ気づきません。
一人で抱えなくてもよいように、地域の育児相談電話や産後ケアのできる施設を調べたり、ファミリーサポートに登録したりするなど、出産前から、困ったときは、どこに助けを求めたらよいか、調べて、紙に書いておき、家のどこか目につくところに貼っておくとよいです(私は冷蔵庫のドアに貼りました)。
「自分は大丈夫。関係ない」と思うかもしれません。でも、産後はホルモンバランスが乱れるうえに、昼も夜も関係ない生活の中で疲労などが重なっていきます。とにかく“通常の自分”ではいられなくなります。
「助けてほしい、手伝ってほしい」と伝えられる相手をひとりでも多く作る、想定しておくことが大事だと思います。結果として必要なかったならそれでよいと思って、備えておくと、選択肢が思い浮び、最悪の事態をまぬがれるはずです。
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わが子を家に迎える前から読んでいた本があります。小児科医・田下昌明(たしも まさあき)先生の『親になる前から学びたい 安心の子育て塾』です。
田下昌明先生は北海道の旭川市在住で、のべ50万人を診てきたベテラン小児科医です。
この本には、妊娠中の胎教、出産、生まれてから赤ちゃんの心が発育していくなかで重要なインプリンティング(刷り込み)、アタッチメント(愛着行動)の形成などについて、独特の語り口で記されています。
また、心の発育だけでなく、知っておきたい衣食住のポイント、やけどや病気になったときの対応など、長い経験と知識に裏付けられた知恵が満載です。
私もこの本に載っていたことをいくつか心に留め、バースプラン(どのように出産したいか、計画を立てること)に取り入れたり、育児において実践したりしています。
具体的に2つ紹介すると
- ミトン型手袋はさせない、靴下は履かせず素足で育てる
→ 手指で感じ取った情報や経験が脳の発達につながる。足裏とつま先からの情報は運動機能に直結するため、運動神経が鋭くなる。
- 予防接種を受けるときは、必ずその子に注射することを告げてから病院へ行く
→ 何も告げずに、いきなり注射をブスッとされると、子供は“だまされた!”と思い、親や医師への信用を失う。そうすると、本当に病気になったとき、治療するのに大きな支障をきたす(診察時に泣いて暴れたり、服薬を拒絶したり)。
この2つはずっと実践しています。そのためか、予防接種に行くのを嫌がりませんし(注射は痛くて泣きますが)、薬もちゃんと飲みます。
本中に「子に与えるもの、子から受け取るもの」という章があり、その中に、育児していくうえで大事だな、忘れがちだなと思ったことがありますので、ご紹介します。
「祖先が私たちに子供を授けるからには、どの子にも『おみやげ』を持たせてくれています。それがどんなものなのか親にはすぐにはわからないし、子供も、いつ自覚するかわかりません。ただはっきりしているのは、子供はその一生のうちに、必ず誰かを幸せにするという使命を帯びて来ているということです。私たちはこのおみやげを確信し、その内容を楽しみにして、それが壊れたり、変形したりしないように育児をやっていかなくてはなりません」
わが子がどんな“おみやげ”を持ってきてくれているのか――。それを楽しみにドタバタな毎日を過ごしています。
番外編 用意しなくてもよかったかな……と思うもの
おむつポット(おむつ用ゴミ箱)
ごみ回収日までの臭いモレ防止に、カートリッジタイプのおむつ専用ポットを用意しました。なかなかサイズが大きく、部屋の隅に置いても存在感を放っていました。頻繁におむつ交換をするため、すぐにいっぱいになって、結局、ベランダに置いてある蓋つきゴミ箱に入れ替えていました。二度手間になり、そのうち、直接ベランダにあるゴミ箱に捨てるようになってしまいました。わが家の場合は、用意する必要はなかったかなと思います。
いずれにせよ、妊娠・出産・育児は人生において、そう何度もない貴重な経験だと思います。楽しんで!とは言いませんが(経験上)、思いっきり向き合うことをおすすめします。