思いやりのある仲裁者

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

薄暗い夕暮れ時。

子供が塾に行っている隙間の時間で、スーパーに立ち寄りました。

ところが、駐車場は満車。

一か所だけ、停めにくい場所が空いていました。

 

「なんとかなる!!」

 

その判断を、すぐ後悔……。

停車している周囲の車にはまって、動けなくなってしまったのです。

 

斜め後ろに停車していた車に、運転者と同乗者が戻って来ました。

「ああ! この車が動いてくれたら……」

と期待したのですが、発車する気配がありません。

 

あれ? もしかしたら同乗者がまだ店内にいるのかな?

それとも、私の車が邪魔で発車できないのかしら!?

焦って車外へ出たところで、見知らぬ女性が話しかけてきたのです。

「あなた、この場所に入れたいのよね?

それで動けなくなっちゃったのよね!?

私に技術があれば、あなたの代わりに入れてあげたいのだけど……」

 

「まあ……。優しいお言葉をありがとうございます。

ご心配をかけて、すみません。

ぶつからないように、頑張りますので……」

 

「じゃあ、私はここで失礼するわね。頑張って!!」

そう言うと、その女性は斜め後ろの車の方にも声をかけました。

「あなたの車の横にとめたくて、はまっちゃった

みたいなの。本当にごめんなさいね。

ぶつからないように、ちょっとずつ動かすそうです

から、許してあげてちょうだいね」

そう言って、店内へ入って行かれました。

 

女性が去ってから、その車はすぐ駐車場を出て行かれました。

そうか……後方の車の方に自分から一声かけるべきだったんだ……。

 

その女性には、トラブルからも救っていただいたの

かもしれないという、感謝の気持ちでいっぱいでした。

そして、反省することがなんと多いことか……。

 

日本ピア・サポート学会 理事の山口権治先生の著書

不登校・いじめを起こさない集団づくり――ピア・サポートに学ぶ

から一節をご紹介します。

――ピア・サポートとは、「ピア=仲間」

「サポート=支援・援助」であることから、

「仲間による支援」を意味し、子供たちが相互に

支え合う活動を指します。

(中略)ある調査によると、いじめが発生した

クラスの生徒を被害者・加害者・傍観者に分けた

場合の構成比率では、傍観者が約85パーセントに上っています。

この大多数を占める傍観者を

「思いやりある仲裁者」に変えることができれば、

いじめ発生に対する強力な抑止力になると考えられます――

 

山口先生が勤務先の高校等で指導してきたピア・サポート活動のノウハウが詰まった1冊。

傾聴などのコミュニケーション訓練や、

問題を抱えた仲間と感情を共有し、

解決のための方法を検討したり、

友人同士のもめごとを仲裁するなどの訓練を行い、

「個」と「集団」を育てているそうです。

有意義なプログラム、私も興味ありです!!