「無」の掛け軸
こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
結婚当時、夫の母からいただいた1本の掛け軸。
そこには、「無」の一文字が書かれていました。
「ありがとうございます」
といただいたものの……、なぜ「無」なのだろう
という思いから、ずっと飾れずにいたのです。
1か月が過ぎたある日。
私の母が
「あなた、素敵な掛け軸をいただいたのに、なぜ飾らないの」
と聞いてきました。
「無の意味がわからなくて……。だって
何もないことでしょ。どうも気が進まないの」
「無の反対は有でしょ。だから、無は始めから
たくさんの可能性を含んでいるんじゃないかしらって、私は思うわよ」
そんなこと、考えもしなかった私。
新たな人生をスタートした私たちに、適した文字だったのかもしれない!
そう思ったら嬉しくて、
この日から「無」の掛け軸を飾るようになりました。
あれから10年。
先日、『道経塾』の編集者 加島さんに
「無」の掛け軸の話をしてみたところ
「ん~、今ちょっと聞いただけだけどね、
僕が思ったのは『無』は何事もないこと。
いわゆる『無事』ってことだから、二人の安全や
幸せを祈る気持ちも入っている気がするな~」
うわ~! 素敵!!
とても温かい気持ちになりました。
池田繁美さんの著書『素心のすすめ』
から一節をご紹介します。
――<純粋意識> とは、頭の中からいっさいの
言葉が消え去った、思考のない状態をいいます。
そうなると、私たちの心と体は、自我や業に邪魔
されず、本来持っている力を最大限に発揮できるはずです――
「無」を全面的にマイナスだととらえ、掛け軸を飾れないでいた私。
これが「業」というものなのでしょうね。
新たな「無」を感じた1冊です!!