まるで自分のことのように

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

地域の森の保全活動に参加しています。
ある日、先輩に
「実は私、虫が苦手なのです。
ここに通うようになるまでの私は、生きものたちや自然について無関心。“里山”についても、どんなものか考えたことがありませんでした。
そんな私がこの森に通うようになったのは、ここに集まる皆さんが大好きになったからです。
今では、皆さんを通じて自然の大切さや素晴らしさを学ばせていただいています」
と、打ち明けた私。

すると先輩は、
「まあ! そうだったのね。
私がこの森に通うのはね、あなたたちのような子育てしている若い人が、子供たちと草むらに入りやすいようにしてあげたいからよ。 草むらで生きものを見つけたりして、自然の中で楽しい思い出を作ってもらえたらと思って……」

『れいろう』平成30年4月から
作家・武家女性研究家の石川真理子さん「女徳なくして国は栄えず」から一節をご紹介します。
――会津藩・山川家の捨松は、仇敵だった薩摩藩士の大山巌に嫁ぐ際、「私は未来に希望が持てるようになった。夫や子供たちの幸せが自分の手に委ねられている。もはやわが身に起こる試練など気にならなくなってしまった」と言う内容の言葉を残しています。
捨松が自分の身に起きる試練が気にならなくなったのは、とりもなおさず自分より大切な存在ができたためです。自分を大切にしていないのではなく、むしろ真に尊んでいるからこそ愛するものに捧げ尽くすことができるのです――

“そうだったんだ……”
まるで自分のことのように私や子供たちを思い、草むしりをしてくださっていた先輩。
胸がジーンとしました。

“まるで自分のことのように……”
そう感じることができたなら、どんなことも、苦労に思わなくなるのかもしれませんね。
先輩は、私にとって母のような存在の方です。

 

にほんブログ村 本ブログ 本・読書情報へにほんブログ村「本・読書情報」に参加しています。