子供のころ

こんにちは。オンラインショップの小林です。

地元の住宅街にひっそり残る森。
この森の保全活動に参加しています。

谷津の地形から豊富な湧き水に恵まれるこの森では、毎年、もち米を育てています。
先日、田植えが行われました。

田植えの前に、田んぼの泥を平らにしている大人たち。
その横に置かれたタライをのぞきこむ子供たち。

「これ、何だろう? ヤゴかな? 」

その様子を見ていた保全団体の副会長が、
「オケラだよ。田んぼにいたんだよ」と、教えてくれました。

「へ~、これがオケラか! はじめて見た。
あの♪手のひらを太陽に♪の歌に出てくるオケラだよね? 」

「そうだよ。
オケラはね、こうして前脚を同時につまんで持つと一生懸命腕を広げようとするんだ。
その感触が面白いから、つまんでごらん」と、副会長がオケラを持って見せてくれました。

「えー、怖いよ。顔も模様も! お尻には長い針もついている」

「大丈夫だよ。噛んだり刺したりしないから。
オケラは、とってもおもしろい虫だよ~」と笑った副会長。

その言葉を聞いて安心した子供たちは、それでもおっかなびっくりの様子でオケラに手を伸ばしていました。

名前は知られているけど、実物はあまり知られていないオケラ。
でも、副会長が子供のころは馴染みのある虫だったんだな~と思ったら、なんだかノスタルジックな虫ですね……。

 

『れいろう』平成30年6月号からおのでらえいこ先生の表紙絵をご紹介します。

――今月の表紙 : 平成30年6月号「若苗色」
頭上にヒバリがさえずり、足元に蛙が鳴く。たよりなげな稲の苗が整然と列をつくる田んぼの水面を、梅雨入りを知らせる湿った風が渡るとき、土のいい香りがあたり一面に立ちのぼった。ミゾソバやセリ、タンポポに縁取られた小川の水音を聴きながら、ゴミひとつ落ちていない細い農道を通って学校にも職場にも通った。今はすでに消え失せてしまったその光景が、心のうちに広がる。澄んだ水の色を含んで群れなす若苗の残像は、淡く切なく可憐である。――

 

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