受け入れる
こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
病床の義父。
私たち夫婦は、父を通して自分たちの考え方の違いに気づき、とまどいました。
その違いがとても大きなものに感じて、不安になったり、悩んだり……。
『れいろうブックレット 心に残る話 ベストセレクションPart1』の「慈しみ合う夫婦を」から、一節をご紹介します。
――朝、父の頭を洗い、顔を拭き、歯を磨き、パジャマを着替えさせ、シーツを取り替える。食事の時間になるとベッドの上に這い上がり、ひと口づつ食べさせながら一緒に食事をとる。父の好きなムード歌謡の音楽を流し、父が起きているとあれこれと話しかけた。
父は余命わずかの末期がんです。身支度なんてどうでもよかったでしょう。食欲なんてなかったと思う。もう起きているのも辛いだろうに、黙って母の好きなようにさせている父。夫婦で過ごす時間を慈しむように寄り添い続けるその姿を見て、心から思いました。
「こんな夫婦になりたい」
父が召されたとき、母は「私はお父さんにするべきことは全部した。だからもう思い残すことは何もない」と胸を張った。母は凄いと思う。父は優しいと思う。父も母も本当に幸せだと思う。息子が羨ましく思うほどに……――
幸せな夫婦とは“互いに相手を受け入れる夫婦のことだったんだ”と、気づかされた文章です。
どんなときでも、感じられる“幸せ”が、ちゃんとあるんですね……。