親孝行

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

息子が通う少年剣道部では、毎年、夏休みに入ると作文の宿題が出ます。
テーマは「親孝行について」。
5歳から中学生までの子供たちが、普段から実行している親孝行について作文にまとめ、夏季合宿の“勉強会”で発表します。

そして発表が終わると、先生は決まって次のようなお話をされます。
「配布したプリントに書いてある文を読んで、ぜひ覚えましょう。
――身体髪膚(しんたいはっぷ)、これを父母に受く。敢(あ)えて毀傷(きしょう)せざるは、孝(こう)の始めなり。身を立て道を行ひ、名を後世に揚(あ)げ、以(もっ)て父母を顕(あら)はすは、孝の終りなり。――
これは、昔の時代の孔子という人の言葉です。自分たちの髪の毛1本までも、お父さんやお母さんから与えられたものだから、大事にしなくちゃいけないよ。それが、私たちにできる親孝行の始まりだ、という意味です。そして、何か素晴らしいことをして自分のことが話題になるだけじゃなく、“あの人は、誰々のお子さんよ”と、お父さんやお母さんの名前まで出てくるような、そんな立派な人間になりなさい。その時が親孝行の終わりですよ、という意味です」と。

今では、親子で親孝行について考える、よい機会となっていますが、息子が小さなころは、
「まだ字も書けないのに作文なんて。しかも、大人でさえ難しい“親孝行について”だなんて……」と、無理難題のように思ったこともあります。

しかし先日、息子が夏休みの課題図書を読んでいたときのことです。
突然、
「お母さん!見て! ほら、この本の中に、剣道の先生がいつも話してくれる言葉が出てくるよ! 」と、息子。
そこには
――身体髪膚、これを父母に受く。敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり――
の一文が書かれていました。
「自分を大切にすることが、親孝行のはじまりってことだよね」と、嬉しそうに話す息子。

そんな息子を見ていて、ようやく気がつきました。
年に1回の素読の機会であっても長年続けたことで、着実に根付いていたことを。
同時に、毎年同じテーマの作文を宿題に出し、勉強会で同じ話を繰り返されている先生のお考えを知った気がしました。

『れいろう』(平成30年8月号)では、株式会社登竜館・田中橿子社長と同朋保育園・森山隆子園長先生が、対談「教育は未来への架け橋」の中で、論語の素読を習慣化について語られています。

自分の中で単なる知識だったものが意味を持ったときの、その衝撃は力強いものですね。
素読の習慣化、すごいな~と思う今日このごろです。

 

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