見えない傘

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
傘をさすか、ささまいか……、
迷うくらいの弱い雨が降っていた朝、キャンパス内の駐車場から、傘とバッグを手に持って、研究所の建物へと歩いていた私。聞こえてくる雨音を心地よく感じながら、ふと、傘をたたんだまま歩いている自分に気がつきました。
“あれ? そういえば私、まったく雨にあたっていない”と……。
そうして上を見上げると、歩いて来た道の上には木々の枝葉が折り重なって、まるでいくつもの傘のよう。
“この雨音は、葉が雨を受けている音だったんだ”
普段、聞きなれないその音は、なんだか面白くて、無意識にウキウキとさせるような音でした。

“なんてさりげない、優しさなんだろう……”
と、木にうっとりした私。
“こんなふうに、ただ気がついていないだけで、普段からいったいどれだけの多くの「傘」に、私は入れてもらっているのだろうか……”
木を見つめながら、いろいろな人の顔が浮かんできました。

“そして、私自身は誰かに「傘」をさし出せているだろうか……”という疑問も。

この日の朝は、木々からたくさんのことを気づかせてもらいました。

『ニューモラル』591号(平成30年11月号)から一節をご紹介します。
――家庭や学校、職場、地域社会などでの身近な人たちとの「支え合い」はもちろん、仕事やボランティアなど、それぞれの立場から広く世の中のために働く人たちの力があってこそ、私たちの生活は保たれているのです。まず大切なことは、そうした「つながりの中で生きる自分」や「多くの人たちの力で支えられている自分」を自覚することです。そのとき、私たちは自分自身の日常に隠れている数々の「ありがたいこと」に気づいて、感謝の心がわき起こるのではないでしょうか。それとともに、「自分も他の人々の力になれるように」という積極的な気持ちを育んでいきたいものです――

 

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