共感

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
地元の森の保全活動に参加しています。
住宅地の中にひっそりと残されたこの森は、水と緑が「美しい景観」と「豊かな生態系」を育んでいます。
また、江戸時代に幕府の軍馬を放牧する牧場と村を区分けしていたという「野馬土手」や、明治中期に建てられた農作業のための納屋「まて屋」、そして、そこに収められている「古農具」などが今でも残っており、地元の歴史を感じられる貴重な場所でもあるのです。

この森をこれからも変わらずに次世代へ存続させていくために、保全団体は大きな問題を抱えています。

それは「高齢化と人材の不足」です。
これまで活動を主となり支えてきた会員の高齢化が進み、70~80代の会員に続くのは40~50代の会員が若干といったところ。若い子育て世代は、子供と一緒に参加することも多いけれど、ライフスタイルの変化が激しく、子供の成長とともに森から離れていき、団体に定着することが難しい傾向があります。
このような人材の不足は、高齢化が進むリーダーの世代交代も難しくしています。
また、高齢化は会員のみならず、森の一部を所有する地権者も同じです。高齢化した地権者が、その土地を手放す可能性もあり、森自体の存続に関わる大きな問題なのです。

「もしも」のときのためにも、また、歴史的に価値あるものの修繕や耐震対策のためにも、保全団体には資金も必要となってきています。

そして何より必要だと思うことは、
地権者や先輩たちが、どのような思いで、どのようにしてこの森を今日まで保全してきたのか、この森の「価値」をわかりやすく明らかにしていくことだと思うのです。森の存続という問題を自分事として感じることができたなら、自ら積極的に関わっていこうとする原動力となるでしょう。

『モラルBIZプレミア』平成30年11月号「トップインタビュー」“共感の資金循環で未来を切り拓く”で、認定NPO法人日本ファンドレイジング協会・鵜尾雅隆(うお・まさたか)代表理事は次のように語ります。
――自分たちが解決しようとしている社会課題はこうで、こんなふうな未来をつくりたいと思っている。そうした情報発信・PRをして、社会の共感を増やし、支援の輪を広げ、寄付としてお金が入ってくる仕組みをつくる。そこには確たる戦略が必要です。(中略) 共感性をマネジメントしながら、目の前の課題に新しいソリューションを提供する戦略的行動、それが現代に求められる社会貢献的行動といえます。話は脱線しますが、今の日本社会に求められているのは、この共感的なコミュニケーションじゃないかと私は思っています。心に余裕のない人、増えていますよね。では、そうした人が共感的になるにはどうすればいいか。この問いに10年以上取り組んできた結論は1つ。それは、共感的な人たちと長く時間を過ごすことなんです――

保全団体の外から得られる「共感」は“資金”を含めた支援につながり、保全団体内の「共感」は会員自らが活動を存続するための“原動力”となるのです。

私自身も地権者や先輩たちと長く時間を過ごし、自らの共感を深めたうえで森の価値をわかりやすく表現化するお手伝いをしていきたいと思います。

 

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