秋の森で
こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
日曜日に行われている地域の森の保全活動。
秋は、広場や森の草刈り、森の中や外周の落ち葉掃きなどのほか、ビッグイベントの収穫祭が催される華やかな季節です。その合間に、もう1つ。つい、後回しになってしまいそうなことですが、やっておかなければいけないことがあるのです。
それは、ドングリを中心とした木の実拾いです。
拾った木の実は、翌年の5月に開かれる“まつり”で、子供たちの工作に使われます。
昨年のことです。
11月も中旬を過ぎたというのに、まだドングリ拾いをしていなかった私。
そこでこの森の植物に詳しい先輩に、
「ドングリがまだ落ちている場所を教えてください」と相談しました。
すると先輩は、
「この時期じゃ落ちてはいても、きれいなドングリは見つからないよ。10月に、ぼくが拾っておいたものはあるんだが、今度この森に学生たちが授業に来ることになってね、先生がドングリを使いたいというから全部あげる約束をしたんだ。ただ、あなたも欲しいと言うんじゃないかと思って、先日、周辺の森を7ヶ所まわってみたけど、やっぱりもう時期が遅かったな~ 」と、先輩。
7ヶ所と聞いて驚きました!!
「この森の周辺といっても、ほとんど森はないじゃないですか?! だいぶ遠いところまで足を運ばれたのでは……」と、申し訳ない気持ちでお聞きすると
「なに、ほんの隣の市ですよ」と、先輩。
本当に、優しい先輩なのです。
ドングリはなくても、先輩の気づかいに私の心は感動でいっぱいです。
「ありがとうございます! 」と、私。
すると先輩は、
「でも、さっきこの森に入ってみたらね、向こうの北側斜面に“アカガシ”のドングリがたくさん落ちていたから行ってみてごらん。もうこの時期だから、ドングリの色は少し黒っぽくなって虫が入っているものばかりかもしれないけれど、帽子がフワフワして柔らかいんだ。ぜひ触ってみるといいよ」と。
そうして教えてもらった“アカガシ”の木の下には、たくさんのドングリと帽子が落ちていました。帽子は、まるでビロードみたいな手触りです。
“これを使って、どんな作品を作るだろう……”
工作に熱中する子供たちを想像しながら、数人の仲間たちと、なるべくきれいなドングリを選らんで拾いました。
もしかすると秋の森には、子供たちを想い木の実を拾う大人がけっこう多いのかもしれませんね。
ここで、『ニューモラル 心を育てる言葉366日』の11月28日「心の眼を周囲に向ける」から一節をご紹します。
――ほんの些細なことでも「自分に何かできることはないか」と考えて、心の眼を周囲に向けてみてはいかがでしょうか。他に喜びを与える生き方は、きっと自分自身の人生を豊かにしてくれることでしょう――
寒い森の中、温かな気持ちでワクワクした時間を過ごしました。