あるファンの告白。
突然ですが、私には贔屓(ひいき)にしているデリバリーピザ店があります。 今回は、同業他社がいくつもあるなか、なぜそのお店のファンになったのか、その理由をお話します。
その日の気分や商品で選んでいた私が、あるお店のファンに一瞬でなってしまった、その理由とは?
ある日、郵便受けに入っていた新しいデリバリーピザ店のチラシが目につきました。ちょうど、ピザを食べたくなったので、そのお店を利用してみました。
結果、一瞬でファンになってしまいました。
そのお店は、決して商品力や企画力が突出しているわけではありません。なのになぜ、私はファンになったのでしょうか。
実は、ピザを運んできてくれたスタッフさんの対応がとてもさわやかだったからです!!
ドアベルが鳴って、インターホンを確認すると
「〇〇ピザです。商品をお持ちしました」とハキハキしゃべり、インターホン越しに一礼。
ドアを開けると、また一礼して、注文内容の確認と共にピザをテキパキと渡してくれます。
お金を払うと
「このたびは、ご注文ありがとうございました。また、ご利用ください」と一礼して去っていきました。
それまでのデリバリーピザのスタッフといえば、ボソボソとした声でお辞儀することもなかったように思います。そして、私もそれを普通だと思っていました。そんな普通を打ち砕くような、丁寧な接客に一瞬でファンになったのです。
それ以来、ピザを頼むときは、そのお店しか使いません。驚くことに、配達に来てくれるスタッフは毎回違うものの、皆さん清々しい対応をしてくれるのです。最近では、それがピザを頼む楽しみにもなってきました。
ここで私が編集している『モラルBIZ』第31号(モラロジー研究所刊2020.10発行)に掲載している「喜ばれる接客とは」の一節をご紹介します。
「サービス精神とは、誰かに対して『喜んでもらいたい』と思う気持ちのことです。製造業においても、モノづくりのうえでこのサービス精神は欠かせない要素になるのではないでしょうか。サービス精神が旺盛ならば、顧客のニーズを調べ、それに基づいて製品を改良していくことに前向きに取り組めるでしょうし、ニーズが満たされた顧客は喜びを感じることでしょう。(中略)他者と関わることで成立するのがビジネスです。それがどんな業種や職種であっても、よい仕事をするためにはサービス精神が必要になるのではないでしょうか」
*
かのデリバリーピザ店は、礼儀正しく丁寧な接客を心がけるよう、スタッフに指導しているのだと思います。そして、私のようなお客にとっては、その接客が他社との差別化につながっているわけです。
礼儀正しく丁寧な対応をするということは、道徳としては当たり前のことなのかもしれません。
しかし、その当たり前を当たり前に行うことが一番求められている、ニーズなのではないかなと思いました。