足元には原石が眠っている
月尾 嘉男 著
四六判 並製 181頁
ISBNコード:978-4-89639-259-3
拡大から縮小へ。画一から多様へ。物質満足から精神満足へ――。
大転換期の今こそ、強みと弱みの自覚を! 100年先の未来を見据え、国家再興・地域創成・産業の戦略を探る。
【主な内容】
第一章 「足元の宝」を発掘せよ ―― 国家再興の戦略を考える
・フロンティア海洋をめざそう
・輸入魚介でもてなす東京五輪大会
・環境の清潔と精神の高潔が日本の財産
・格差社会を変革するエシカルな活動
・勤勉精神の奪還が日本を幸福にする
・ロボットと共生する先進国家をめざす
・開放された舞台でこそ価値ある俳優が演技する
・日本に不足している用意周到
・日本を再生する名誉の復権
・有限の継承が無限を実現する
第二章 「不易流行」を見極めよ ―― 産業の明日を考える
・エントロピー概念が示唆する経営革新
・林業再生への戦略
・製造業を復興させる発想の転換
・3D印刷技術がもたらす革命を好機とする
・物語るモノが巨大なビジネスを創出する
・ビッグデータ時代にも人間にしかできない仕事
・魅力こそ企業を発展させる源泉
・情報革命にも淘汰されない企業となる秘訣
・共感を基礎とする情緒が事業を発展させる
・シェアリングがもたらす平等の精神
・激変を好機とする適応ビジネスの知恵
・危機を好機に逆転する代打の発想
・増大が成長という構図の転換が次代を開拓する
・倫理と文化が企業を長期に発展させる
第三章 「開拓の精神」を思い起こせ ―― 地域創生の戦略を考える
・フォッサマグナが提供する新規事業の機会
・格差こそ価値の源泉である
・官公依存社会から住民自立社会への転換手段
・夜間と休日で地方議会再生
・足元の原石を宝石に研磨できる地域が発展する
・先入観念を打破すれば異質な未来が出現する
・生活でも仕事でも見直されるコンパクト思想
・開拓の精神が逆境からの脱出を可能にする
第四章 「歴史の教訓」に学べ ―― 文明社会の明日を考える
・特異点を認識すれば発展の糸口を発見できる
・複数の視点から理解する時代
・空気が売買される環境危機
・節約精神が文明の贅肉を削除する
・実感されない損失を減少させる社会への転換
・どのような年齢からでも遅くはない
・格差社会に対処する互助精神
・人間を凌駕する生物の叡智
【著者略歴】
月尾 嘉男(つきお よしお)
昭和17年生まれ。東京大学工学部卒業。工学博士。名古屋大学工学部教授、東京大学工学部教授、総務省総務審議官等を経て、平成15年、東京大学名誉教授。これまでコンピュータ・グラフィックス、人工知能、仮想現実、メディア政策等を研究。全国各地でカヌーとクロスカントリーをしながら、知床半島塾、羊蹄山麓塾、釧路湿原塾、信越仰山塾、瀬戸内海塾等を主宰し、地域の有志とともに環境保護や地域計画に取り組む。著書に『装置としての都市』(鹿島出版会)、『縮小文明の展望』(東京大学出版会)、『地球の救い方』『先住民族の叡智』(遊行社)ほか。