どちらも正論だけど
こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
先日、専門家の先生から
「外来生物とは」というお話を、子供たちと一緒に聞く機会がありました。
先生:「外来生物というと、駆除の問題でいつも議論になる。
外来生物は『悪い』『悪くない』とか、皆も意見があると思う。
じゃあ『悪い』と思う子はどうしてそう思うのかな」
「外来生物に攻撃されたり、えさを取られたりして
元からいた生き物が死んじゃうから」
先生:「うんうん。じゃあ『悪くない』と思う子はどんな意見かな」
「外来生物も、同じ生き物。人間が勝手に連れて
きただけなのに、駆除されるなんてかわいそう」
先生:「うんうん。
実はね……。
外来生物って繁殖力が強いイメージがあるかも
しれないけれど、どんな生き物だって、生きられる
環境があるから生きていけるんだよ。
環境が合わなければ、やがて死んでしまう。
つまり、外来生物が日本でどんどん繁殖している
ということは、それぐらい日本の自然環境が変わり
つつあることを示しているんだよ。
そして、駆除はかわいそうだから『悪い』というのは道徳なんだ。
だから、この議論は自然環境と道徳という
2つの論点が混ざって話し合われているんだ」
どちらも正論。
でも先生は、そこに見落としがあることを教えてくれました。
野口芳宏さんの著書『子供の発信 親の決断』
に、こんなお話が収められています。
学校の窓ガラスを割った責任を取って
「自分のお金で弁償したい」という子供と
「こんなときのために保険に入っているのに……」と言う母親。
話を聞いた校長先生は、にっこりしてこう言うのです。
「経済論の立場に立てば、お母さんの考えのほうが
正しいよ。いっぽう、子供のほうは教育論の立場に
立って、結論を出そうとしている。
経済論的に見れば、子供の考え方は明らかに不合理だ。
しかし、彼のこれからの長い人生を考えれば、
社会的な失敗や過失を犯したときには、どう個人
として対処すべきかということを学ぶ絶好の
チャンスだということもできるでしょう」
どちらも正論だけど、見落としていた「立場」の違い。
なるほど、納得です!!