応援
こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。
走ることが大好きな夫。
先日、ジョギングから帰ってきた夫が
「今日は公園に走りに行ってきた。外周と内周の2つのコースがあるうちの、外周コースを3周するつもりだったんだ」と、次のような話をしてくれました。
「1周目を走って2週目にさしかかろうとしたとき、小学生の兄弟と並走する形になってね。そこで、弟が『あと何周走るの? 』って、お兄ちゃんに聞いたんだ。お兄ちゃんは『あと2周』って答えた。それを聞いた弟は1周で走るのをやめ、母親と一緒にお兄ちゃんを応援することにした。
俺もあと2周走るつもりでいたから『お互い頑張ろう! 』って、横からお兄ちゃんに声をかけた。そしたら、お兄ちゃんがスピードを少し上げて俺の前に出てきたんだよ! 『ガッツあるな! 』って、後ろから声をかけたんだ。
途中の分岐点から、お兄ちゃんは内周を走り、俺は外周を走った。そして合流地点に着いたとき、お兄ちゃんは俺の少し前を走っていた。正直に言えば、俺は外周を走ったとしても、お兄ちゃんより先に行くことはできた。でも、お兄ちゃんが頑張っている姿を見ていたら、つい、そばで応援したくなってしまってね。だから、しばらくしてお兄ちゃんに追いつくと、また並走して、3周目も同じように走った。
3周目、あと少しでゴールというところで、
『足をもっと前に出せば、もっと前に進むぞ! もう少しでゴールだから頑張って行こう! 』と、お兄ちゃんに声をかけた。するとすぐに、足を前に出して走るようになったんだ。
そしてゴールでは、弟が『終わりだね! 』って、お兄ちゃんに声をかけた。俺も、終わるかなと思っていたら、『もう1周走る』ってお兄ちゃんが言ったんだよ!
だから俺も、一緒に走ることにした。
そうして4周目に突入したけど、さすがのお兄ちゃんも一杯いっぱいと見えて、上半身が左右にぶれていた。それでは前に進まず体力を無駄に使ってしまう。
そこで『もう少し力を抜いて。左右にぶれずに、姿勢をよくして走るんだ』と声をかけた。
そうしたら、またすぐにフォームを直してきたんだよ。
もう、こっちも嬉しくなっちゃって、『よしっ! 姿勢がよくなって、良い走りだぞ! 』って声をかけたんだ。
そして驚いたことに、4周目ではお兄ちゃんも外周に入ってきたんだよ! さらに、最後まで良い走りでゴールできたんだ!
ゴールしたとき、お兄ちゃんは振り返って『ありがとうございました』って言ってくれたんだ。母親からもお礼を言われて、俺は、なんだか清々しい気持ちで、ついつい、そこから2周も多く走っちゃったよ。
結局、最初に予定していた2倍の6周を走ったというのに、気持ちよく走れたせいか不思議と疲れを感じないんだ。
今日は、あの少年からパワーをもらった気がするよ」と。
ここで、『ニューモラル 心を育てる言葉366日』の6月20日「喜びに満ちた人生を開くために」をご紹介します。
――「人は一人では生きていけない」といいます。私たちは親子や夫婦、親しい友人との深い結びつきから、社会の中で出会うさまざまな人々との関わりまで、実に多くの“つながり”の中で互いに助け合い、支え合いながら生きているのです。
私たちは、胸の内に芽生える“温かい心”“優しい思い”を、日常にどれほど生かすことができているでしょうか。
私たちが他者への温かい心を大きく育て、“喜びや安心、満足を与えたい”という志を言動に表わしたとき、それは、どれほどささやかな行為であっても、きっと相手の心に響きます。そこで生まれたぬくもりは周囲にも波及して、よりよい社会を築く原動力となっていくことでしょう。そこにこそ、私たち自身の喜びに満ちた人生が開かれていくのです――
お兄ちゃんはきっと、見知らぬ人からの声掛けに、内心、驚いたはず。
それにも関わらず、アドバイスをすぐに取り入れてくれた素直さに、感謝でいっぱいになった小林です。
夫の“応援したい”と思う心の温かさが、お兄ちゃんの心に届いていたからなのでしょう。