ブラジル日系移民三部作、ここに完結!
丸山 康則 著
四六判 304頁
ISBNコード:978-4-89639-208-1
ブラジル日系移民三部作、ついに完結!
明治期に海を渡った日本人たちが発揮した勤勉さや創意工夫、団結力は、100年経った今も、ブラジルの地に“大河”のごとく流れ続けています。「開発に成功したのは日本人だけ」といわれるアマゾンにおいて、胡椒栽培による繁栄と衰退の歴史、そして回復へ向けた森林農業の取り組みなど、困難に立ち向かった気概ある日系人のありのままの姿を、細やかな現地取材をもとにつづります。日系移民たちの情熱と希望に満ちた物語は、我々が大切にすべき日本人の心を呼び覚ましてくれることでしょう。
【主な内容】
刊行によせて ―― 誰かの為に戦う人間は強い
はじめに
第一部 アマゾン物語――アマゾンの歌は歌い継がれて
アマゾン開発の曙光
•アマゾン開発と日本
•バラー州知事からの書簡
•武藤山治さんの登場
•南米拓殖株式会社の活動
アマゾンの黒いダイヤ
•第二次世界大戦と胡椒景気
•千葉三郎学長と杉野忠夫先生
•軍艦組
•『アマゾンの歌』
なぜ胡椒は滅びたか
•胡椒の全滅
•貴重な研究ノート
•坂口さんの名言から
•和尚誕生
•自然法爾
•森林農業の広がり
•和尚逝く
アマゾンへの旅
•ベレンにて
•波止場のレストランで
•山中さんのフラワーショップ
•トメアスーの坂口さん宅へ
アマゾンの日本人社会を支える人々
•父の遺志を継ぐ坂口渡さん
•日本文化を大事にする海谷英雄さん
•『アマゾンの歌』の主人公の息子、山田元さん
•小長野道則さんの活躍
•2011年のトメアスーの新しい状況
アマゾンとの別れ
•再びベレン、そしてマナウスへ
•ある注文の述懐 ―― 「なぜ君に仕事を頼んだか」
天皇皇后両陛下とトメアスー
•皇室とブラジル
•アマゾンに心を寄せられる両陛下
第二部 「ジャポネース・ガランチード」の人々
剣道修行のラーモス村とりんご村のサン・ジョアキンへ
•『ジャポネース・がランチード』出版祝いと感謝の会
•セルソ・ラーモス村とは
•村人たちのチームワーク
•りんご村のサン・ジョアキン
“陽気な港”で、老年医学の森口先生と再会
•港町ポルト・アレグレ
•老年医学の第一人者・森口幸雄先生
•慶応義塾塾長・小泉信三先生のこと
•教会でのクリスマスミサ
•一粒の麦が無数の種を生む
•森口先生の「高齢者の人権について」の考え
•横浜市立大学医学部の学生が巡回診療
サンパウロでの出会い
•上野家の新年会
•江坂さんの挑戦
•サンパウロの花守たち
•ブラジル花卉産業をリードする荒木克弥さん
•モジ市のラストサムライ
国境を越えた経営哲学
•サンパウロの二宮邦和さん
•人育てを大切にする農場
•ブラジル盛和会
首都ブラジリアを訪ねて
•下坂匡さんのこと
•心地よさと活気のあるブラジリア
第三部 日本とブラジルをつないで
大阪の國民會館を訪ねて
•私財を投入して設立した國民會館
•武藤山治さんの生涯
•武藤山治さんとのひととき
移民の歴史を未来へつなげる神戸
•海外移住と文化の交流センター
•国立移民収容所の創設と運営
•未来に向かって
鶴岡のアマゾン民族館
•“実践の人”山口吉彦さん
多文化共生都市としての鈴鹿
•ブラジルの日野さんが来日
•鈴鹿市教育長の水井健次さん
•歴史のある鈴鹿市
•鈴鹿市への見学の旅
•日野さんの講演「カエルプロジェクト」
•外国人の児童生徒への日本語教育
•鈴鹿の現状は未来の日本
•日本語と日本文化の伝達に向けて
【著者略歴】
丸山 康則(まるやま やすのり)
昭和3年(1928)、長野県生まれ。29年、京都大学文学部(心理学専攻)卒業。34年、京都大学大学院博士課程単位取得退学。日本国有鉄道労働科学研究所次長、横浜国立大学経営学部教授、麗澤大学国際経済学部教授・学部長などを歴任。現在、麗澤大学名誉教授。文学博士。 著書に、『ジャポネース・ガランチード―希望のブラジル、日本の未来』『ブラジル百年にみる日本人の力』(ともにモラロジー研究所)、『職場開発入門―生きがいの探求』(交通文化協会)、『旅の落書帖』(日本生産性本部)、『産業における組織と人間』(編著、朝倉書店)、『事故予防の行動科学』(編著、福村出版)、『明日の安全への道しるべ』(交通安全出版)、『いきいき安全学』(中央労働災害防止協会)、『ヒューマンエラーの心理学』『ヒューマンエラーの科学』『事例で学ぶヒューマンエラー』(いずれも共編著、麗澤大学出版会)等がある。
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ブラジルの大地に根づく日本の心。挑戦と創造の百年を生きる!
多くのブラジル人から「日本人なら間違いない」と信頼される日系人たち。
彼らの壮大な移民物語を知ることは、日本人の心の中に流れる挑戦と創造の精神を学ぶことである――。