互敬の世紀をひらく道徳原理
モラロジー研究所 編
A5判 304頁
ISBNコード:978-4-89639-143-5
モラロジーとその内容である最高道徳の要点を紹介。
新たな道徳原理として、今日、人類社会が直面している諸問題に対する処方箋を提言する。
【目次】
まえがき
凡例
基礎編
第一章 倫理道徳の目指すもの
はじめに
一、人類の生活と道徳
1.人生と幸福の追求
2.善を実現する三つの段階
3.幸福の実現と品性の向上
二、人類共通の倫理道徳
1.人類共通の目的
2.相互扶助と公共性
3.安心と喜びの共生社会
三、これからの倫理道徳
1.倫理道徳に対する誤解
2.超越性と公共精神の広場
3.歴史、宗教及び科学の叡智の統合
四、道徳実行の根本精神
第二章 人間力と品性の向上
はじめに
一、人間存在の実相
1.生かされて生きる
2.欲求の充足から
3.人生の意味の探究
二、人間力をつくるもの
1.遺伝子情報
2.情報と知識
3.倫理道徳
三、品性――善を生み出す根本力
1.人間力の核心
2.品性の表れ
3.人生の段階と品性向上
四、生と死を巡って
第三章 道徳共同体をつくる
はじめに
一、交響する生命と文化
1.人間の個性と共同性
2.福祉とケアの考え
3.私欲と社会改善
二、相互扶助と公共精神
1.黄金律の進化と三方善
2.民主主義の改善
3.言葉がつむぐ共生の感覚
三、人類社会の基礎共同体
1.家族共同体への愛
2.郷土愛の新生
3.郷土愛から祖国愛へ
四、祖国愛と人類愛
第四章 普通道徳から最高道徳へ
はじめに
一、倫理道徳の進化
1.伝統的な道徳に見る知恵
2.普通道徳の成果と役割
3.普通道徳の限界
二、求められる最高道徳
1.世界諸聖人とその道徳
2.世界諸聖人の特質
3.最高道徳の特質とその生き方
三、倫理道徳の源流を求めて
1.日本の歴史に見る最高道徳の精神
2.あらためて聖人の道徳を学ぶ
3.文化の多様性と共通の道徳
四、最高道徳の広場へ
実践編
第五章 自我没却
はじめに
一、自我とは
1.自己保存と自我
2.煩悩――心の三毒
3.さまよえる現代人の自我
二、自我没却の目的
1.品性向上への旅立ち
2.三方善への配慮
3.積極思考を身につける
三、自我没却の方法
1.物事の道理学ぶ
2.歴史の経験に学ぶ
3.視野の拡大と寛大な精神
四、自我没却の効果
第六章 正義と慈悲
はじめに
一、人類共生の標準
1.公正を願う心理
2.社会における正義の水準と種類
3.正義運用の利己心
二、正義と慈悲の進化
1.応報の原理をこえる
2.神仏の心に見る正義
3.宇宙的な正義と慈悲
四、正義と慈悲の効果
第七章 義務の先行
はじめに
一、義務先行の意味と目的
1.義務先行と品性の完成
2.贖罪としての義務先行
3.積善としての義務先行
二、権利と義務の正しい理解
1.天賦人権説
2.権利と義務の円環
3.応答責任としての義務
三、義務先行の方法
1.応答責任の先行
2.自己本文の遂行
3.運命の正受と改善
四、義務先行の効果
第八章 伝統報恩
はじめに
一、伝統、、恩および報恩
1.伝統とその種類
2.世代をつなぐ恩と報恩の道徳
3.報恩の三つの段階
二、実生活と伝統報恩
1.家の伝統に対する報恩
2.国家伝統に対する報恩
3.準伝統に対する報恩
三、精神伝統に対する報恩
1.精神伝統と人類文化
2.二本の文化と精神伝統
3.精神伝統への報恩
四、伝統報恩の効果
第九章 人心の開発救済
はじめに
一、開発救済とは何か
1.人間の精神を耕す
2.開発から救済へ
3.精神開発の主要な柱
二、人心開発の方法
1.品性完成をめざす相互扶助
2.全人格を通じた働きかけ
3.慈悲進を徐々に育てる
三、人心救済と全人的意味の回復
1.人生の意味の崩壊と苦悩
2.ケアの根本――人生の意味の再建と希望
3.ケアの実践要綱
四、品性完成した人の姿
1.純粋他力の中で自力の努力を
2.人心開発救済の事業への献身
3.真に救済された人の品性
五、人心開発と救済の効果
第十章 道徳実行の因果律
はじめに
一、因果律の理解と人生観の確立
1.精神と行為の因果律
2.世界諸聖人の説く因果律
3.因果律と善悪の標準
二、道徳実行の要点と効果
1.動機・目的・方法と効果
2.結果の受け止め方と効果
3.時代、時機、場所、場合への配慮
三、運命を改善する心構え
1.科学的な安心立命
2.唯心的な安心立命
3.社会文化や自然環境の改善
四、因果律を確信することの効果
最高道徳のすすめ
あとがき
<付録>
廣池千九郎の個人史とモラロジーとの関係について
廣池千九郎略伝――道徳の研究と実行への歩み
索引